建替えて再生する
団地型マンションの建替え
団地型マンションは、単棟型マンションとは違い2つの建替え方式があります。
ここでは団地型マンションの再生(建替え)にスポットをあてて解説します。
団地型マンションには、「全棟一括建替え」と「棟別建替え」の2つの方式があります。区分所有法における建替え決議の方法がそれぞれ異なるほか、決議が可能な団地の要件が定められています。それぞれの特徴や要件を理解して、適切な方式による建替えを目指します。
「全棟一括建替え」と「棟別建替え」の概要
全棟一括建替え
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現在の住棟すべてを取り壊して新たに建設
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集会所や駐車場など附属設備も新設・再配置が可能なため団地全体を合理的にリニューアルできる可能性がある
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区分所有法70条による一括建替え決議が必要
【一括建替え決議(区分所有法70条)の実施が可能な団地の要件】
ア)団地内建物の全部が区分所有建物であること
イ)団地内建物の敷地が区分所有者の共有に属していること
ウ)団地管理組合(または団地管理組合法人)の規約で各区分所有建物の管理を団地管理組合で一括して行うことが定められていること
棟別建替え
・団地内で再生の意向が分かれた場合、一部の住棟だけを取り壊して新たに建設
・建替えをしない棟への日当たりや景観等への配慮が必要になるため、従前の位置で同等規模の建物への建替えが基本
・建替える棟内での区分所有法62条「建替え決議」(*2)に加え、団地全体で区分所有法69条「建替え承認決議」が必要
(*2)建替える棟が区分所有建物ではない場合は、所有者の同意が必要です。
【建替え承認決議(区分所有法69条)の実施が可能な団地の要件】
ア)団地内建物の全部または一部が区分所有建物であること
イ)建替えを予定する建物の敷地が団地建物所有者の共有に属していること
団地型マンション建替えの進め方
団地型マンションの場合、「建替え」と「修繕・改修」を比較するほか、「全棟」か「棟別」かの選択も視野に入れた検討が必要な場合もあるでしょう。その際、「団地再生方針」(建替え構想)に応じて、計画段階の進め方が異なるのが特徴です。
準備段階
- 情報収集と基礎検討
勉強会を開催したり、正式な検討開始のための組織づくりや手続き(規約の確認、総会における決定など)を進めます。
検討段階
- 再生手法・方式の比較検討、建替え構想の策定
建替え/改修のいずれがのぞましいのか比較検討を行い、また、全棟再生/棟別再生のいずれで実施するべきか判断します。
計画段階
- 事業協力者の選定、建替え計画の策定
団地再生方針(建替え構想)に基づいた計画案をとりまとめて事業者協力者等を募集し、建替え計画を策定して建替えの決定を目指します。
実施段階
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建替え事業の実施
計画の決定合意に基づいて、実際の事業に着手、施工する段階です。
- マンション建替組合の設立
- 権利変換計画の策定
- 権利変換
- 建替え工事の実施
- 施工
- 再入居
完了
- 再生事業の完了
マンション・団地再生 建替えて再生するの主な受注実績
実施年 | お客様区分 | 都道府県 | お客様名 | 受注業務名 |
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2018 | 事業組合 | 東京都 | DIK小石川マンション管理組合 | DIK小石川マンション建替事業 |
2018 | 事業組合 | 神奈川県 | 藤沢住宅管理組合 | 藤沢住宅建替事業 |